松山竜平の打席を見て思ったこと。

 広島が優勝を決めた日に阪神ファンが広島の選手を語るのはどうかとも思うけど。

 9月は全試合で4番を務める松山はこの日も初回先制タイムリー。だが、その後2回のチャンスでは凡退に終わった。この凡退の内容が何とも言えない。

 3回は1点リード・一死三塁の場面。初球の恐らくボール球であろう沈む球をうまく拾ったが正面を突いてファーストライナー。NHKBS解説の和田一浩も言っていたが、初球から手を出していくボールではない。カウントが不利になるまでは低目を捨てて外野フライにできる球を狙うのが定石だ。

 8回は同点・無死一二塁の場面。相手は左投手。信頼のノーサインだったが結果はレフトフライで走者を進められなかった。ノーサインなのだから当然フリーでも良いし、半分難癖のような気もするが個人的な意見を述べておく。

走者を進めるといえば右打ちだが、松山は足が速いとは言えないので右方向に転がしても併殺の可能性がある。ただ、ライトフライ、センターフライなら一死一・三塁を作れるかもしれない。素直に打ちに行っても(ヒットを狙いに行っても)、進塁打を意識してもどちらでもいい場面なのだが、松山は1-1からの3球目を中途半端に打ちに行った。しっかりと狙いを定めて打席に入ってほしかった。

 

 定石通りの野球ばかりやっていると相手に読まれるので、徹底するのがいいとは言えない。ましてや松山は現在4番である。シンプルに「自分が決める」と考えればいいのかもしれない。自分なりに考えを持って打席に入っていれば結果が伴わなくてもさほど問題はない。ただ、何も考えずに打席に入っているのなら来年も規定打席到達は難しいのではないか。

ラミレス監督の状況分析は間違っているのでは?

※この記事(考察)は横浜目線で書いてますが自分は阪神ファンです。

 

 12日の試合、6回裏1点ビハインドの場面。チャンスで投手に代打を出すかどうかが結果的にゲームを左右することになり、賛否別れる(否のほうが多い?)采配となった。

 

阪神戦で同点機に代打を送らなかった横浜DeNAラミレス決断は塩采配か | THE PAGE(ザ・ページ)

「8番・井納」の打順が裏目に出た。

12日、横浜スタジアムでの横浜DeNA阪神の試合は、井納とメッセンジャーの投手戦になっていた。
横浜DeNAは1点を追う6回、二死一、二塁の同点機で、ピッチャーの井納に回ってきた。
ベンチは代打を告げることなく、ここまで力投を続けていた井納をそのまま打席に立たせた。結果はライトフライである。

 6回、井納に代打を送らなかったのは、やはり采配ミスなのか。
 ラミレス監督は、試合後、その意図をこう説明した。
「あの場面、宮崎がセカンドランナーだった。シングルヒットではホームに帰れない。今日のメッセンジャーの出来から考えると、代打が長打を打つのは難しい。
 それならば、次の機会にかけようと考えた。状態の良かった井納に1点差を我慢してもらって、必ずやってくるであろう次のチャンスに」

 

 まあ、今回書きたいのはどちらが正しいかではなく、代打を出さなかった理由について。二走・宮崎の足では単打で帰れないとラミレス監督は言っているが、本当にそうなのだろうか。

守備側の阪神から見ると、まだ6回で逆転の走者を一塁に背負っている。先攻とはいえリリーフ陣が安定していることを考えると、同点までなら許容範囲。この場面は逆転阻止のために外野は前進しない(狭い球場だが、一走が俊足の石川ということを考えれば少し後ろ目に守るのもあり)のがセオリー。

また、ライト福留はともかく、レフトは守備難の高山、センターは強肩だが膝の調子が悪くチャージができない糸井である。運よくフルカンまで持ち込めばランナーはオートスタート。単打で返れる可能性はむしろ高かったのではないかと思う。

ピンチバンター谷、森野に代走出さず…グダグダ采配の中日

 延長で一輝の7失点で大敗した27日の中日。多くの人が書いているが7回裏の攻撃がチグハグすぎた。7回の流れは以下の通り。

 

7回裏 中日の攻撃

6番 堂上 ツーベース
7番 又吉→代打:谷 バントを2回失敗した後、空振り三振
8番 杉山→代打:森野 敬遠気味の四球
9番 藤井 ランナー1,2塁からライトへのタイムリーツーベースで中日同点 一死2,3塁
1番 大島 センターフライ。三走森野はタッチアップもセンター・丸の好返球で本塁憤死


8回表

7番 谷→木下(捕手)
8番 森野→福谷(投手)

 

 

 まずは無死二塁からピンチバンターの谷。谷は阪神ファンの自分でもバントが下手だと知っているほどのバント下手。ピンチバンターで使う選手ではないだろう。

 森野は敬遠気味に歩かされたが、ここで即代走を出すかは微妙なところ。逆転の走者とはいえ一死で一塁の走者。荒木の負傷で早々にベンチ野手(エルナンデス)を使っているのも交代をためらう要因だ。

 結局中日は代走を出さず藤井のタイムリ二塁打。森野が三塁までいったが、ここでも代走はなし。これは大いに疑問だ。打者大島、同点、一死二・三塁。ゴロゴーを仕掛るべき状況である。

 

・大島はゴロが多い選手

・本塁で刺されても勝ち越しの走者が三塁に残る

・一・三塁になっても大島が盗塁で二・三塁に戻せる可能性がある

 

先程は荒木の負傷交代で代走を出しにくいと書いたが、選手の温存ならピンチバンターを谷ではなく木下にしていればよかった(木下のバントの腕は知らないが、谷より下手とは思えない)。次の回で捕手を入れる必要があるということを忘れてでもいたのだろうか。

 

6回表3点ビハインド、無死2,3塁 セカンドゴロを狙うべきか?

 

8月9日 広島10-3阪神 マツダスタジアム

 

http://www.tbs.co.jp/baseball/pastgame/20160809CT01d.html

 

 この日の解説・達川はキレキレだった。6回表阪神が3点ビハインドの場面。まずは無死一塁でゴメスが打席に立つと広島先発・ジョンソン相手に合っており、この打席は打てると断言。ゴメスは本当に左中間へ二塁打を放った。

無死二・三塁となって打者は北條。ここで達川は「北條がセカンドゴロを打つと試合がわからなくなる」と発言。内野は通常の守備位置。セカンドゴロなら一点入ってなお一死三塁が作れるという趣旨の発言である。結果的に北條は追い込まれてから右には売ったものの、右犠飛で二走は進塁できず。後続も倒れこの回一点止まりで、ジョンソンに粘られてしまった。

 この場面でセカンドゴロを狙うべきかは非常に判断に迷うところである。2点差なら狙うべきだし、4点差ならヒットを打ちに行く場面。3点差なら追い込まれるまでは普通に打ちにいき、追い込まれたらセカンドゴロを意識すべきか。二走が俊足なら「セカンドゴロ」ではなく「右打ち(おっつけ)」でいいので楽なのだが…。

何度見ても飽きない山田哲人の33号ホームラン

 素人には理解できないホームラン。8月6日の阪神戦で放った山田哲人の33号ホームランは私の脳みそでは追いつかない一発だった。

 

 内角球には普通に打ったらファールになる球というのが存在する。阪神・岩崎が山田に対して投げた球はそんなボールだった。しかし、山田の打球はほとんど切れずにレフトスタンドに突き刺さった。

内角球を切れずにスタンドに持っていくには必須条件が三つある。

・バットの芯に当てない(ラインドライブをかけない)

・捕手側の肘を上手く抜いてバットの角度を投手寄りにする

・どちらかの足を引いて(開いて)バットの出をスムーズにする(例:捕手側の足を引くのが今岡、投手側の足を開くのが落合)

 

このうち、「バットの芯に当てない」「捕手側の肘を抜く」というのは山田も行っている。

しかし、足はスクエア。打った後少し投手側の足が開いているが、ほんの少しだけ。肘を抜いているとはいえ、これではボールとの距離を取れない。距離が取れないと「バットの芯に当てない」「捕手側の肘を抜く」ができていてもどん詰まるかファールになるかのどちらかである。それなのに、山田はスタンドへ持って行った。どうやってボールとの距離を作っているのかが全く分からない。ただただすごいホームランである。

 

 

足がスクエアであることがよくわかる山田のホームラン画像

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野球の奥深さを感じる清宮の最終打席

 3点ビハインド、一死一、三塁で迎えた早実の清宮の第5打席。ホームランかと思われた大飛球は失速してライトへの犠飛に終わった。逆風で戻されたことも理由の一つだが、それだけではない。前4打席の積み重ねがあってこその失速だった。

 

勝負を避けた第1,3打席

0-0の第1打席(初回一死二塁)、第3打席(5回二死一塁)で八王子学園八王子はいずれも清宮との勝負を避けストレートの四球。初回は続く4番・野村を抑えたものの、5回は野村に2点タイムリーを打たれ先制された。

 

素直にバットを出した第2打席

一死二塁で迎えた第2打席も四球かと思われたが、二走の金子が意表を突く三盗を仕掛け失敗。これで走者なしになったため八王子は清宮と勝負。清宮は低めの球に素直にバットを出して右中間へ二塁打を放った。

 

流れを変えるべく一発を狙った第4打席

7回4点ビハインドとかなり苦しい状況で迎えた第4打席。二死走者なしということで主軸としては当然一発を狙っていい場面。しかし、ミスショットでセカンドフライに終わった。

 

ここまでの打席が足かせとなった第5打席

9回3点ビハインド、一死一三塁で迎えた第5打席。一発が出れば同点の場面で、清宮としては迷いがたくさんあっただろう。

ここまで4打席、走者ありでは勝負を避けられ、前打席では一発を狙って凡退に終わっている。この場面で勝負してくれるのか、勝負してきた場合一発を意識してもいいのか…。迷っていた中で投げ込まれたのはインコースやや低めのストレート。迷いがなければ一発にできたであろうボールだが、清宮はとらえきれなかった。

これが野球の難しさ、奥深さである。

安藤にバントをさせたいならバントエンドランを仕掛けるべきだったのでは?

 誰もが「あれはない」と思ったであろう、安藤へのバント指示。打順が回る所にあ堂を入れたことや跨がせたのに一死二塁で変えたことなど批判すべき点はたくさんあるが、安藤にバントをさせるにしてもあまりに無策すぎた。
相手は強烈なチャージを仕掛けてくる。安藤は申し訳程度のバスターを仕掛けるが西武側にはプレッシャーにはならずスリーバント失敗。バントシフトにバスターを挟むのはある意味セオリーだが、打席に入るのが4年ぶりの安藤がバスターを続けるとは思えない。相手にストライクを一つやるだけの意味のない作戦だったと言える。

どうしても安藤を打席に立たせるなら個人的にはバントエンドランを仕掛けてほしかった。

 

失敗しても12回には響かない

仮にバントエンドランが失敗して走者が死んだり併殺になった場合でもダメージは小さい。8番の安藤で11回が終わっても、まだ代打は3枚残っているためだ。

  • 安藤で打席が終了した場合

俊介(代打)

鳥谷

北條

大和(代打)

ゴメス

髙山

 

9番俊介、3番大和に代打を出す余裕は十分にある(北條に代打を出すかは意見が分かれるところだろう)。成功率の低い普通のバントをやらせるなら、リスクはあっても転がせば進塁させられるバントエンドランを仕掛けてほしかった。

 

相手は予測していない

ランナーは鈍足の今成、打者は4年ぶりに打席に立つ安藤。バントエンドランは西武側は100%想定していないはずだ。空振っても相手のミスが絡み盗塁が成功する確率が2〜3割あるのではないか。

 

 

怖いもの知らずで「おせおせ」の采配をしていた開幕直後から、恐れを知って攻めきれなくなっているのが今の金本野球。開き直ることができるか。