阪神対西武(○5-1) 大勝してほしかった 2016年6月4日
http://www.tbs.co.jp/baseball/game/20160604TL01d.htm
西武先発の多和田は初回、完全に甲子園の空気に飲まれていた。しっかりとミスショットせずとらえた1~4番まではお見事。その多和田を完全に落ちつかせてしまったのが6番の横田。徐々にいい球を投げられるようになっていたことは確かだが、狙い球を絞らずにボール球を振って助けてしまった。横田は3回の無死一・二塁のチャンスでもコネ気味に引っ張って進塁打を狙っていったが外のボールになるツーシーム、シュート系を振ってしまって三振。当て逃げをしなくなったことが評価されているようだが、まだ当て逃げが結果を残すためには最善策のように思える。つまりはまだ一軍クラスにないということ。
また、久々スタメンとなった8番の岡崎もブレーキ。4打席すべて得点圏で回ってきたがいずれも凡退。とくに3回は一死二・三塁のチャンスで空振り三振。当てればゴロゴーの場面で、なんとかしてほしかった。
この二人がどこかで打てていれば勝ちパターンを出すまでもなく勝てた試合。楽に勝つ試合を増やさないと今後苦しくなってくる。
先発のメッセンジャーはフォーク(スプリット)が冴えていた。長打の少ない打者を中心に初球からも使っており、有利なカウントを作れていた。
2回はメヒア、浅村にしぶとく見極められ連続四球で無死一・二塁のピンチを作ったが、弱気にならず腕を振り続けて三者連続三振で切り抜けた。
7回は鳥谷のまずい守備で1点を失ったが代打・中村には内、外のストレートで追い込みカーブで仕留める完璧な投球で7回1失点にまとめた。
今日はストレート、フォーク、カーブいずれも良かったため安心して見ていられたが、今年はずっとスライダー(カットボール)が良くない。カウント球として優秀なこの球が上手く決まれば大炎上の試合はなくなるはず。
2番手のドリスはいきなり先頭の栗山に四球。速球が抜けていて非常に危なっかしかった。ただボールに力はあり、メヒアには押し勝って内野ゴロ。落ち着いて抜けるボールがなくなったことで、最後の森には内ストレート、外ツーシーム、ボールになるフォークと完璧な投球。まだ信頼はできないが見てて面白い投手だ。
3番手藤川はまだ不安定だが4点リードでいくらか力が抜けていたのが良かったか。
投球練習の他にキャッチボール?
6月2日の楽天-阪神戦で不思議な光景を目にした。楽天先発・美馬が6回無死1,2塁のピンチを作ったところで投手交代。2番手の西宮がマウンドに上がった…のだが、捕手の足立がなぜかベンチに下がり、投球練習ができない状況に。
楽天ベンチから控え捕手等が出てくるわけでもなく、西宮はサードの中川とキャッチボールをしていた。結局足立は交代ではなく、普通に戻ってきて、投球練習をしたのち再開となった。この行為はルール上認められるのか?
実況・解説はおろか審判も完全にスル―していたからセーフなのだろうが…。
投球練習には球数、時間制限がある
公認野球規則には投球練習について以下の記載がある。また、NPB独自のルールもある。
野球規則8・03(投手の準備投球)
投手は各回のはじめに登板するさい、あるいは他の投手を救援するさいには、捕手を相手に8球を超えない準備投球をすることは許される。この間プレイは停止される。
各リーグは、その独自の判断で準備投球の数を8球以下に制限しても差しつかえない。このような準備投球はいずれの場合も1分間を超えてはならない。
突然の事故のためにウォームアップをする機会を得ないで登板した投手には、球審は必要と思われる数の投球を許してもよい。
http://www.sanspo.com/baseball/news/20140515/tig14051505000012-n1.html
NPBのルール
《イニング途中の投手交代》 → 通告から2分45秒以内にプレー再開
▽ 2分15秒経過時点で「あと1球」等の試合進行の指示
1. この計測は、監督から投手交代の通告を受けた球審が、場内アナウンサーに対し交代を告げるシグナルを出したときから始める。
2. 同一イニングで、監督もしくはコーチがマウンドの投手のもとへ2度目に行く際、つまり投手交代時には、監督(コーチ)はグラウンドに踏み出すときには、次の投手を指名し、球審に交代を告げねばならない。
3. 球審は、投手交代のシグナルを出してから2分15秒を経過した時点で、定められた数の投球練習が終わっていないとしても、「あと1球」等の試合進行の指示を出す。
4. 球審のジェスチャーを確認後、アナウンサーはすぐに次打者をアナウンスする。
5. 球審は、投手に「あと1球」の指示を出した直後、次打者に対して打席へ入るように促す。
公認野球規則とNPBのルール(内規?)によると、投手交代時の準備投球には球数制限、時間制限があることがわかる。今回の交代は負傷等による交代ではないため「ウォームアップをする機会を得ないで登板した投手」にも該当しない。
控え選手やコーチが出て来ずに内野手とキャッチボールしていいのか?
捕手が打者や走者で攻撃が終わった場合、レガースなどをつけなければならない捕手は投手の準備投球に間に合わない。この場合、控え選手などが捕手の代わりに投球を受ける。今回も何らかの理由で足立が準備投球に間に合わないのだから、ベンチから誰かが出てきて投球を受けるべきだろう。
このキャッチボールがありなら投手が準備不足の時どのチームもやるべきである